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当院の治療について

~~~耳の病気~~~

<耳垢栓塞症>

自然に耳垢が排出される人もありますが、粘りのある耳垢や硬い耳垢で耳がふさがると難聴になります。ピンセット、耳垢鉗子、微細鉗子などの器具で除去しますが、耳垢水という薬剤で耳垢を溶かして吸引除去する場合もあります。竹製などの硬い道具での自己治療は危険ですので、普段はお風呂上りに綿棒で優しく掃除するのがよいでしょう。

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<突発性難聴>

 まずは標準的な治療法であるステロイド薬の内服またはプロスタグランジンE1併用のステロイド点滴治療を行います。直りが悪い場合は、鼓膜から耳内に直接注射する鼓室内ステロイド注入療法を行います。それでも改善しない場合は、耳の血流を改善するデフィブラーゼ点滴治療がありますが、特殊な薬剤であるため名古屋第二赤十字病院に紹介の上で施行して頂くことになります。

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<耳鳴り>   

 耳鳴りは音を聞く細胞が減少し機能が悪くなり、不必要な雑音が大きく脳に伝わることで起きると考えられています。不眠、疲労などで悪化します。ビタミンB12、アデホス、カルナクリンなどの血流改善薬、ストミンAという耳鳴り治療薬をまず使用します。デパスなどの精神安定剤が有効な場合もありますが眠気の副作用があります。釣藤散、牛車腎気丸、加味逍遙散、当帰芍薬散などの漢方薬も使用しています。耳鳴りが小さくなるか気にならなくなる場合が多いです。

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<めまい症>  

 回転性めまいが半日くらい続き、繰り返し起きるメニエール病には内耳のむくみを取るイソソルビドが有効です。

寝返り時に1分程度回転性めまいが起きる良性発作性頭位めまい症には、頭を動かす体操が有効です。

肩こりなどに関連するめまいには、筋肉の緊張を改善するミオナール、血流をよくするアデホス、精神的な緊張を改善するデパスなどが有効です。

分類できないめまいが50%ほどあり、メリスロン、セファドールなどの抗めまい薬、苓桂朮甘湯などの漢方薬が良い場合もあります。

 最近、長引くふらつきが特徴の、持続性知覚性姿勢誘発めまいという疾患が注目され、抗うつ薬が有効といわれています。

​<補聴器について>

  高齢になると難聴の方が多くなります。平均聴力が40デシベル以上の中等度難聴では補聴器装用が有用です。耳垢や中耳炎が難聴の原因の場合もあり治療で聴力が改善できることがあります。まずは耳鼻咽喉科で診察を受けて補聴器の必要性を確認してから補聴器購入を検討する必要があります。メガネ店や薬局でいきなり補聴器を購入するのは、お勧めできません。耳介に引っ掛ける耳掛け型補聴器が多く使用されていますが、耳内に入れて使う耳穴式補聴器もあります。当院では補聴器専門店の専門家が補聴器の調整や貸し出しも行っています。標準的な補聴器の価格は11から16万円程度ですが5万円くらいのものもあります。医療費控除の対象になります。

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<滲出性中耳炎>

鼓膜の奥の空気が減少して体液が耳の中にたまり難聴、耳のふさがった感じ、耳鳴りが起こります。発熱、痛みは普通ありません。鼻から耳に向けて金属管を入れ、空気を送る耳管通気治療で聴力が改善します。小児ではゴム風船状の器具で空気を送ります。鼓膜に穴をあけチューブを留置して耳内の空気圧を正常にする手術もあります。薬剤や局所処置で鼻の状態を改善する治療も効果があります。

​~~~鼻の病気~~~

<アレルギー性鼻炎>  

 花粉症を含みます。透明な鼻汁、くしゃみ、鼻づまりが主な症状です。鼻汁を採取し鼻汁好酸球が多い場合アレルギー性鼻炎と判断します。血液検査でスギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、ダニ、ホコリ、動物の皮膚などの原因を特定し掃除などの対策を取ることが理想的です。眠気の少ない内服薬、鼻づまり用の内服薬、局所用ステロイド点鼻薬をよく使用します。目のかゆみにはコンタクトレンズの上から使い角膜を傷害しにくいアレジオン点眼液が良いと思います。眠気の強い古いタイプの内服薬は自動車運転が不適で、学習にも支障があるためなるべく避けています。市販の血管収縮薬入りの点鼻薬は長期に使用すると鼻のつまりが悪化しますので中止を勧めています。妊娠中はお湯の蒸気を吸入するなどとマスク、血液検査で調べたアレルギーの原因物質を避けるなどするのが望ましいですが、小青竜湯、ザジテン点鼻、アレグラ内服を行う場合もあります。スギ花粉症とダニアレルギーには舌下免疫療法も行っています。

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<副鼻腔炎>  

 以前は蓄膿症と呼ばれていた粘りの強い鼻汁が出る病気です。原因となる細菌を検査で確定し、抗生剤、去痰剤、蒸気を吸入するネブライザーなどで治療します。鼻汁を直接吸引し代りに薬剤を副鼻腔に入れるプレッツ置換法を行うと短期間に頭痛、顔面痛、発熱などの症状を改善することができます。荊芥連翹湯、辛夷清肺湯なども使用します。鼻茸を伴う場合もプランルカストで縮小する場合があります。

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<鼻出血>   

 左右の鼻を分ける鼻中隔という板の前方から出血することが多く、花粉症で鼻詰まりや鼻汁が多い時期は鼻出血も起こりやすくなります。硝酸銀塗布、サージセルという止血剤留置、ガーゼ留置、アドナ、トランサミン、黄連解毒湯の内服などが有効ですが、電気凝固手術で止血する場合もあります。

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<嗅覚障害>

感冒後、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎に伴って起きることが多く、鼻の炎症を抗生剤やカルボシステイン、抗ヒスタミン薬などで改善させた後に、ステロイド薬の点鼻や当帰芍薬散、人参養栄湯、加味帰脾湯などの漢方薬により治療を行います。

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​~~~のど、くちの病気~~~

<声がれ>

ファイバースコープ検査で声帯を観察し、声帯ポリープ、喉頭炎、喉頭がんなどの診断を行います。喉頭炎は抗生剤、去痰剤、トローチ、うがい薬などで治療できます。後鼻漏が原因の場合は鼻汁を減らす薬剤が有効です。

<扁桃炎>   

痛み、高熱の原因となり細菌検査、抗生剤治療を行います。大きな膿の塊は吸引除去します。小柴胡湯加桔梗石膏で徐々に扁桃炎が起きにくくなるようにします。扁桃炎を繰り返す場合は溶連菌性の場合があり、腎炎、IgA腎症、皮膚炎、関節炎などの原因になる場合があり、尿検査、血液検査で扁桃摘出術が必要か検討します。

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<のどの異物感>

喉頭がん、咽頭がんなどの有無をファイバースコープ検査で確認します。後鼻漏、喉頭アレルギー、扁桃炎、胃食道逆流症などが原因の場合が多いです。原因に応じた薬剤治療が有効ですが、麦門冬湯、半夏厚朴湯などの漢方薬が有効の場合もあります。むせやすい高齢者は誤嚥性肺炎になる危険性があり半夏厚朴湯、のどの筋肉を鍛えるシャキア手技という訓練が有効です。

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<味覚障害>

亜鉛、鉄の不足などが原因となりやすく、血液検査で原因を調べます。舌炎を伴う場合は細菌やカビが繁殖していないか培養検査を行います。ポラプレジンクまたはノベルジンという亜鉛剤内服、鉄剤内服やうがい薬、トローチなどで口腔内の状態を改善することで味覚の改善が期待できます。

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